Cult Racing diary

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サーキットの救急体制

サーキットでは、常に救急車が待機してますよね。

それは、公道よりサーキットの方が安心して走れると、ボクが考える理由の一つです。

 

それでは、例えば筑波サーキットで。

医療関係者は何人待機してるのか。

救急車は何台あるか。それは十分な数なのか。

搬送先までの距離や設備はどうなっているのか。

「安心」などと言いながら、そのリソースについては全く把握してませんでした。

 

筑波サーキットでの救急対応が近隣の八千代病院と提携してた頃は、コースの2台とは別に、レースイベント時には病院搬送用の八千代の1、2台が待機していたように思います。(不確かです)

 

筑波サーキット-八千代病院間は約4 分 (1.7 km)

 https://maps.app.goo.gl/TjDuik1dJNNsFQQc9

 


フェアレディZにジューク、アクセラ、レクサス、バラエティー豊かなコースカーが活躍! サーキットで働くクルマたち!<筑波サーキット編> | トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO

正しくはいつからか分かりませんが、その事を耳にしたのは昨年のことです。提携搬送先が八千代ではなくなり、遠方にあるつくば市のメディカルセンターになりました。

ナビによると、片道22キロ。最短40分と表示されます。

…ウチから羽田空港までと同じ位の距離を走破しないと病院まで辿り着かない。

 

その代わり、サーキットには救命救急士が常駐することになりました。(この運用体制変更の経緯をご存じの方居たら教えてください)

サーキットへの医師常駐は大変心強いものの、設備の整った場所で医療行為を受けるには、いくら道が空いてたとしても、筑波サーキットを出てから40分以上後になるのです。

 

都内では、救急要請から到着までの平均時間は7分程度。要請から病院搬送までの平均は33分と言われてます。

八千代病院の評判は様々でしたが、CTとレントゲンの画像診断が出来て、外科的治療も一応は可能な医療施設が、サーキットから5分以内の位置にある安心感は絶大でした。

その当時に比べ今は、治療までの所要時間は確実に伸びたと言えます。

 

これ、どうなのでしょう。

 

更に問題となるのは、最初に書いた緊急車両の保有台数です。

サーキット発で病院へ動ける車両は、八千代応援分が無くなった以上、手駒の2台(ですよね?1台って事はありませんよね?)で回すしかないのではないか。

2台のうち1台は、常に場内搬送用に常駐せざるを得ません。

緊急車両の待機無しでの走行継続は、サーキットとしてもさせ

ないでしょう。

(因みにmotoGPではドクヘリが飛べない天候だとレースディレイになります)

 

とすれば、

一人が病院に搬送されると、つまり緊急車両が1台出払ったら、次に怪我したライダーを搬送する際は、自治体等が保有するライフラインとしての救急車を要請せざるを得なくなるのです。

 

先程書いた遠方のメディカルセンターへの最低所要時間に加え、救急車が到着するまでの時間が加えられます。

都内では到着まで平均7分。

筑波ではどうでしょうか。

7分なんて短時間が有り得ないのは想像に難くありません。

 

しかも、現在の関東圏は医療崩壊が顕在化し、自治体や民間保有の救急車が常に出払っている状態と言われます。

転倒での怪我や骨折による炎症反応で発熱でもあれば、通常の整形外科ルートではなく、発熱外来へ回されPCR検査待ちになる可能性すらあります。

 

コロナ禍については筑波に限った話ではありませんが、人口あたり病床と密度でいくと筑波が不利なのは確かです。

つまり、現在の筑波サーキットの医療体制については、相対的に公道走行より安全とは言えなくなっているとみて間違いないかなと。

 

サーキット走行はオウンリスクと言われますが、リスクテイクの判断は、リスク算定が適切に出来て初めて可能な筈。

サーキットの救命救急体制や同時多発した際のバックアップシステムをしらずに居るのは、ユーザーとして無責任な思考停止状態のような気もしました。

 

しかも。

コロナ禍によりこんな事が起きていたようで。ご存知でしたか?

 


院長の勝手気ままなブログ - 川越救急クリニック

医師は居ない、救急車も来ない、来ても搬送先が遠く、もしかしたら空き病床すらない。

そのリスクを取ってまで走りに行くのか。

 

たまたま見つけた下記ブログ。

2015年の筑波サーキットでの怪我について書かれてます。

全く存じ上げない方なのですが、当時の筑波サーキットでのホビーレーサーの怪我について、その後の流れが良く書かれています。

 

またまた骨折【人生6回目】:とりあえずカマタの:SSブログ

多くの病院で、サーキットでの怪我の扱いなんて、この程度ですよね。

だいぶ前ですが、ボクは某北里大学病院のスポーツ整形外科の医師から明言されました。

「バイクで怪我した奴には同情しない」と。

 

コロナ禍で、不要不急の走行により転倒し、搬送されたライダーが、その後どんな目に合うか。

また、それにより当地の医療リソースを少なからず使用することで、地元にどんな影響が及ぶか。

よくよく考えるべきなのでしょうね。


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