Cult Racing diary

Cult Racing log book

天声人語

ホンダが嘗て無い程の不調だという。

 


【ホンダ ASIMO 新型発表】MotoGPマシンにも技術投入 | レスポンス(Response.jp)

これは12年前の記事。

ペドロサが現役だった頃の話だが、その当時、ペドロサからのネガティブなフィードバックを、朝霞は理解できなかったそうだ。

彼は、ロガーのデータには現れない事を主張すると。

 

病は気から。

ライダーなんて、プラセボでなんとでもなる。

そんな風に、人間のセンサーを下に見ていたのだろう。

 

ところが。

アシモで研究が進んだ新型センサをレース現場に投入すると、ペドロサが主張してきたことが初めてデータとして可視化される。

データオリエンテッドなエンジニア達は、人間界トップクラスのセンサーに舌を巻いたのであった。

 

という時代を知る人間が、干支が一回りしたホンダのレース現場には、もういないのだろう。

ペドロサをリリースし、マルケスに逃げられ、全盛期のホンダに乗っていたにもかかわらず表彰台にすら一度も登れない中上を7年も走らせ、レーサーのだれとも共感しないブラドルテストライダーを未だに使い続けるのは、

トップクラスのライダーの感覚を、「所詮人間」と、自分等のテクノロジーより下に見てるからではないか?

 

YAMAHAがファビオを最高額の契約金で引き留めたのは、ライダーをリスペクトし、テクノロジーでは代え難いものと捉えている証左だろう。

このままではホンダ冬の時代に春は来ないどころか、終わらない氷河期となる。

野心に溢れるライダー達には敬遠され、セカンドキャリアを悠々と過ごしたい旬を過ぎたライダーからしか選ばれないメーカーなんて、

最高峰のレースに出る意味があるのか、本社の背広組はよく考えたほうが良い。

 

ドカティとKTM。スペイン対イタリア選手権。

幾らヨーロッパスポーツとは言え、このままでは流石にグローバルな人気は長く続かないだろう。

 

F1ファン=クルマ好きを取り込もうとするアイデアも否定しないが、ソレが本筋では無い筈。

世界一台数を売るバイクメーカーが活躍するから、世界中のユーザーが潜在的なファンとなり、新たなレースファンが生まれるのではないか。

 

今からでも遅くない。

株主配当を0にしてでも、多額の謝礼と三顧の礼を持ってして、ペドロサを再度迎え入れるべきではないか。