垂れ流しのクソ以下の提灯インプレ記事や、だらだら走りながらピンマイクで寝言しゃべるだけのYouTuberが跋扈する昨今。
オレは日本男子として漢字一字で表現するんだ。
試乗車は無印SFV4。
2時間試乗オケと言われ。
環七~246~東名~横浜北西線~三京~目黒通り~環七。
ナイスルーティング。
響。
店を出た時の電制モードは「ストリート」。ブリッピングするも反応鈍し。スタートでエンストしそうになる。ところが、信号待ちでモードをスポーツに変えた途端。
排気音が周囲に野太く響いて焦った。なんだこれ。バルブ開いた?車検場ギミックか!
驚。
246に入り、「交通安全運動週間」で街に溢れ出した白バイを警戒しつつ、西へ。ほどほどに混みあった幹線道路をすり抜けながら。
軽い。ひらひら。なんだこれ。450SMRの感覚に近い。1100cc200馬力のモンスターマシンとは思えない。
付け加えると、史上最もミラーが見易い!!!視野も広くブレもない!
「飾り」を公言するアグスタF4や,F3は言わずもがな、ムルティ、HYM、S1000RR、何ならマジェスティより後ろが見える。
この機体で一番驚いたかも。
叫。
高速に入る。暫くシフトの感触を確かめながらポジションチェック。
レースモードにチェンジ。流石にスロットルをフルオープンする勇気はなかったが、1万越えるまで開けてみる。
5000越えるあたりからか。怒涛のトルクと加速度。かつて経験したことがない。過去のどのリッターバイクとも次元が違う。思わず声が出る。
恐。
だが、アップライトな姿勢にも関わらず、感じる風圧が少ないことに気づく。
ムルティの時は、100㌔越えると肩と首が辛くなっていった。130㌔が現実的な範囲だった。スクリーンがあるのに。此奴は、それに50㌔上乗せしても問題を感じないだろう。楽しさしか感じない。
とはいえ、ビキニカウルやメータースクリーンすら無いネイキッドバイクだ。200㌔を軽く越えるような風圧を受けても、隠れるところがどこにもない。
衰えることなく高まり続けるスピードメーターの表示に戸惑う。ちょっとどうしてよいか分からない。前方から何か飛んで来たらどうする?
狂。
だが、ハンドリングは常にニュートラル。V4の回転がギンと高まり速度がみるみる上がろうが、ジャイロを感じないのだ。いや、物理的なジャイロ効果は当然存在しているのだが、極めて小さく抑えられており、常に想定を下回っている。だから、かなりの速度で巡行していても、少し目線を送るだけで、何の不安もなく力みもなく、右左ひらひら舞い踊れる。これはまずい。傍から見たらただの狂人だろう。
凶。
果たして、前方にクルマが見えなくなり。3速からシフターを使って全開加速。久しぶりに味わうワープ感覚。
だがそれは、FSWストレートのS1000RRより遥かに暴力的で破壊的だった。
周囲の星がゆっくり後方に伸びていくのではなく、「バンッ!」と一瞬の残像となり消え去っていくような。
からの、フルブレーキングでシフトダウン。
ノークラで完璧なブリッピング。アクセルとブレーキだけに集中できる。これならサーキットでも「使えるオートシフター」だろう。公道でも「逃げ切れる」…。
享。
復路の第三京浜でのクールダウン・クルーズ。
低回転で制限速度以下で流しても安楽。超絶ハイレベルなオールラウンダーだ。ドカティ史上最良の機体ではないか。「ドカ=ハンドリングに癖がある」との先入観、いや、実際ボクが知る限りのモデルはそうだった。それが、皆無。
916以降のドカには一通り乗っている筈だ。パ二は知らん。ドカの敷居の高さだろう。それがない。かといって「詰らない」とは微塵も感じないニュートラルステア。
これは、ハンドリングの黄金比を発見したんじゃないか?
これは、もっと称賛されるべきなんじゃないか?
他の最新国産バイクを知らずに言うのもなんだが。
一方、先週乗った最後のF3を思い出す。何だったんだあれは。同じ250万でこんなに楽しいバイクがあるのに。
確かにF3のニュートラルステアには感心した。コンパクトだし軽いし。
だが、それらの美点をはるかに高いレベルで凌駕するモンスターマシンが同時代に存在する。しかも、「並ぶものがないV4エンジンの魅力」。
これはもう舞の海vs千代の富士か。違うか。
こうなってしまったら、あれを買うモチベーションは何なのだろう。
ーーー
試乗を終え、対応してくれたマネージャーに感想を述べるが、上手く表現できなかった。
完全に想定外の車体だった。兎に角感銘を受けた。感動したと言っていい。
これほどのインパクトは初めてF4に乗った時以来だ。20年前。
ただし、F4はボクにとって初めての大型バイクだったからね。感動の質が異なる。
いやはや。
マネージャーが「そういえば…」と、店のデータを調べだした。
そして、ボクが暫く離席してるうちに、店内にはビッグサプライズが用意されていた。
カーボンホイルにビレットステップ。
最初期にオーダーした顧客の、まさに開梱したばかりのV4SPが目の前に。
イタ公が書きなぐった「SP」。
このビニール袋。欲しい。
一応。念のため。試乗に行くときは積載してた450SMR。
そして遂に、
今日。
さらばチャンピオンマシン。
さらばロシナンテ。