Cult Racing diary

Cult Racing log book

その①クルマは買っても売っても損をする

そんな格言を聞いたことがあります。
遺したのは誰だったか失念しましたが。

 

若い時にこの言葉に触れたおかげで、投機的な要件を考慮したクルマの買い方をすることなく育ったのかもしれません。

「絶対儲かるポルシェ限定モデル」とか「フェラーリ中央銀行が買い支えする債権」なんて賢い買物の話を聞いても、真似して食い付く事はありませんでした。

 

まぁ、そもそも賢くも無ければ金も無いのですから、真似したくともできませんけども。

 

ちな、これまでの車遍歴はこんな感じでした。

 

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画像は、ウィキペディアより。

 

大学1年の時。先輩から預かったアコード。

CA3のセダンだったと思います。コレに1年乗らせていただきました。

乗ってたのはハッチバックの5ドアだった気がしますが、どうだっただろう?

 

車を持つ余裕のない家庭で育ったので、ボクにとって正真正銘、生まれて初めてのクルマでした。

 

ボンネットが低く視界が広かった。

スーパーカーライトがカッコよかった。

DOHC TWINCAM16

というバッヂが誇らしげだったし、実際良く回った。

ふわふわしたシートとサスがふわふわだった(笑)

 

先輩が、「クルマ欲しいんだろ?乗っておく?」と、タダで貸与してくれたんです。

良く考えもせず二つ返事で乗りましたが、今にして思えば色々恐ろしいですね。

先輩、元気かなぁ。会いたいなぁ。

 

次がコレ。

 

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ビート!

Hondaが続くのです。

中古乗り出し120万でした。

 

初めて買ったクルマ。

2年の時かな?もちろんフルローン。

色はナンバーが目立たないカーニバルイエロー。

 

まだ現役で新車販売がされてました。ver.CとかFとかの頃でしょうか?

4年位乗りましたが、どこ行くにもコレでした。

夏の白浜から冬の苗場まで。

サーフボードもスキーもキャンプ道具も道ばたの女の子も、なんでも積めた。

 

駐禁切られまくったなぁ。ワッカも切りまくった。小さいクルマ、ワッカが目立つ。でかいイヤリングしてるみたいに走ってた。

 

最後は累積やらなんらやらで免許無くなったのを契機に手放しました。

屋根切られたり悪戯されたりもして、最後は悲しい別れでした。幾らで売ったのかも覚えてません。

 

その後社会人となり、多忙なクルマのない生活が数年続いたあと、いきなりコレになります。

 

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一気に成り上がりましたね。98年でしたか。

 初期型V6の2500。6MT。新車450万。当然フルローン。社会人の与信フル活用。

 

当時、当初の選択肢にあったのは、

メガーヌと、プジョー305。

ラリーで戦うFF車を買って、それ風に仕上げようかと思ってました。

 

ところが当時、大沢商会からアルファの販売権を引き継いだコーンズが近所にあって、暇な時に冷やかしに行きました。

一目惚れ。

 

BTCCを戦う155が好きだったのもあり、気にはなってました。

車雑誌で見た時から、そのデザインに魅了されてもいました。

ですが、自分とは縁遠いと感じていたし、キャラじゃない、と思ってました。

ですが、実車のあまりに美しい、古典的でありながらエッジの効いた官能的なデザインと、そのV6エンジンに惚れ込んでしまいました。

 

最後のアルファ伝統のアルミブロックエンジン。管楽器のようなピカピカの6本の吸気パイプ。

赤く照らされるメーター回りも、リバースの入れ方が分からない6速MTのシフトノブも、黒革の内装も、全てが別世界。

 

156と比較すると、検討してた4発のホットハッチのホットさがチープなだけに感じてしまい、値段が倍違うわけでもないのになんじゃこりゃ?

と、彼らは頭の中から消し飛びました。

実際、156の初期型、バーゲンプライスだったと思います。馬鹿売れしましたよね。

 

コレには長く乗りました。

13万キロで手放すまで乗り倒しました。

ホイルは18インチのOZ。

サスはユニコルセの車庫調に前後タワーバー。

ショートシフトも入れてたか。

重たいノーズを軽量化するため、ボディ同色で塗装したカーボンボンネットまで組んだ。

マフラーとタコ足はワンオフで、ヤンキーみたいな音を奏でてました。

 

アグスタを買ってからは、ヒッチメンバーを付けて、トレーラーでサーキットにも行きました。

FSWではバイクと車の両方で走ったことも。

 

思い出を語り出すとこの車だけで一年掛かりとなるのでやめておきます。 

写真もいっぱい撮った筈ですが、古いHDDにあるので後日掘り起こしましょう。

 

で、いよいよオルタネータの調子が悪くなってきた。エンジン自体は絶好調だけど、これからアチコチ逝かれ出すだろう。

ど、どうする?直しながら乗るか?

となって、当時のバイク熱の高まりもあり、遂にトランポに買い換えました。

10年10万キロを越えた156のカスタムには、トータル数百万掛かった気がしますが、過走行で下取り5万でした!

 

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初のMB。

バネオです。

妖艶なセダンからの、鈍重なミニバン。

この都落ち感たるや。

 

歴代日本で最も売れなかったメルセデス

唯一ボディ縦横比の縦が長いメルセデス

詳細はウィキで。

 

乗り出し125万だったかな?

購入は2010年でしたか。

 

初代Aクラスのストレッチハイトワゴン。EV化を前提とした二重底のプラットフォームで、運転席から荷室の突き当たりまでフロアは真っ平らです。 

全長はCクラス、ホイルベースはEクラス。

歴代最も意欲的で先進的設計思想に基づくメルセデスだと思っています。

 

チーフは今でもあの子が良かったと言います。

コンパクトなのに3乗でリッターバイクが詰める。

セカンドシートを外せば完全にフラット。引っ越しでも活躍した積載能力は語り草です。

十勝4時間耐久レースも、この子にS1000積んで乗り込みました。

バイクを下すときの皆さんの驚きが痛快でしたね。

「これに、積んできたの?」

 

そうそう、監督が産院から初めてウチヘいらした時のお迎えのお車も、バネオでしたね。 

 

 直4、1.9リットル。遅い。けど、高速巡行は得意。

少し腰高ですが、屈強なボディにしっかりした足回りとロングホイルベースで、乗り心地は良かった。

生存空間もEクラス並かそれ以上と言われてました。

監督が車酔い知らずに育ったのは、バネオのおかげです。

次のオーナーにお譲りしたのち、仕事道具として最後までお仕えし、その生涯を閉じたようです。 

ちなみに、ルーフ上のジェットバックは、いまだにオーナーの他車種の屋上で活躍しております(笑)

 

そして2015年。

 

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現在のオフィシャルトランポであるVクラスにスイッチしました。

リッターバイク2台積み可能な更なる積載能力と更なる衝突安全性を求めた結果です。

 

一世代前の最終モデル。足回りが日本市場に合わせてチューニングされた、バネサスのモデル。

 

というリサーチを経て購入したのですが、いざ乗ってみると、足がダメダメ。

みんからの口コミとか、全く当てにならない。

スキーへの山道で、監督が初めて吐いたw。

運転してるボク含め、家族全員が車酔いしました。

 

やむなく、Factory23でTEINの車高調をワンオフで組んでもらいました。EDF付きで、運転席から減衰を調整できる仕様です。

重量車用車高調の中では最も安い仕様でしたので、減衰調整は伸圧別ではありません。車高もイニシャル調整で行うもの。

その仕様で可能となる範囲では、満足いく乗り心地に仕上げました。

ですが、もう少し減衰効かせたい。バネレートも上げたいところですが、まずはネオチューンを試すべく検討中です。


更に。2015年、新たなクルマが加わりました。

1991年製のクルマ。

 

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ビート!(再)

 

2014年当時のボクのバイクラインナップは確か、

F4、ブルターレ1090、KTM250、S1000RR。だったかな?

旅バイクのムルティをツーリング用ブルターレにスイッチした後でした。

 

で、空から天使が降臨。

待ちに待った監督のデビューに合わせ、公道バイクからの撤退を決めました。

ブルターレ売却。

 

バイク代わりに、オープンカー買ってもイイでしょ?バイクやめるんだからさぁ?

 

バイク同等の負担で維持できる、バイクより気持ちいいかもしれないクルマ、ビートを探し始めたのです。

や、寧ろバイクより排気量小さく燃費も良く保険も安いんじゃないか?

 

約一年後、ワンオーナー走行0.9万キロのバリもんを見つけ、即決。

4年後の現在1.4万キロ。年1000キロも乗らず。

という状態で、現在に至るわけですね。

 

話を戻して、資産としてのクルマについて。

 

これまでクルマに投じたコストは、棟梁に譲ったバネオを除き、まったく回収できていません。リセールバリュー皆無。

クルマを持たない選択をしていたら、駐車場代などの付帯コストも勘案すると、郊外の駅徒歩20分建売物件くらいは買えていたかもしれません。

 

まあ、賢人が言った通り、ファイナンシャルでは大損なわけです。

投機対象となる高額商材を転がせる富裕層にとってのクルマや、稼ぐ道具としてのクルマは異なりますが、都内在住サラリーマンにとって、クルマは負債でしかありません。

ロジカルシンキングな若人たちがカーシェアリングやレンタカーでライフをエンジョイしているのは、実にクレバーでリーズナブルだと思います。

 

昔の賢人は、

人はパンのみにて生くるものにあらず。

とも言ったそうです。

 

心の豊かさを求めよ、即物的なだけでは生きていけないよ。

という意味でしょうか。

 

ですがこれは、

物質的即物的満足も人にとっては大事だよ、という逆説解釈もできるわけです。

ボクはそっちサイドの人。非ロジカルシンキングサイド。

何のモトかは分かりませんが、十分もとは取った!と思ってます。

 

で。

こうして振り返ると、ホンダ、アルファの3台が上半期、メルセデスの2台が下半期と、クルマ人生をくっきり色分けできますね。

快楽を求めるか、質実剛健を求めるか。

人生観の変遷が見て取れます。

その中にあって、4年前のビートの増車は、それに抗おうとする揺れるオヤジ心が垣間見えますね。

 

ところで、免許取得から約30年経ちますが、これまでたったの5車種しか経験できていません。

 

残りのクルマ人生はあと20年くらいでしょう。

5年毎に乗り換えたとしても、4台しか猶予が残されていません。

大変由々しき問題です。損だの得だの言ってる場合ではありません。


疲れたので続きは後日。