Cult Racing diary

Cult Racing log book

頑張れ

少し前、バイク仲間と食事をともにしました。

 

彼と初めて会ったのは、袖ケ浦のサーキットで開催されたBMWの走行会。
S1000RRをレーサー化し、白ゲルカウルに替えて間もなくの頃でした。
2011年か12年かな。
その時どんな会話をしたのか、そもそも会話をしたのかすら思い出せませんが、
彼がD;REXのメンバーになり、筑波に通いだす頃には、割と親しく話すようになりました。


その頃は、ボクらにとってバイクはあくまでも趣味のツールでしたが、
その後彼はバイク業界の仕事をするようになり、業界人として歩み始めました。


ルックスはもとより、喋りも上手だし英語もできる。地頭の良さに加え育ちの良さをも感じる彼は、
二輪業界には異質の秀でた人材だろうと思いましたし、実際みるみる頭角を現したように見えました。


サシで話をするのは数年に一度という頻度なので、彼の活躍を知るのは雑誌やネット、店頭などで知るのが殆ど。

最近はYoutuberとしてネットでの情報発信にシフトしているようでもありましたが、
ボクはYoutuberの動画は殆ど見ないので、彼が日々更新するコンテンツは、申し訳ないのですが見てませんでした。


にしても、毎日動画をアップするって、すごい事ですよね。
ブログですら、毎日なんて無理なのに。
毎日通勤電車に乗るのとは訳が違います。昨日とは違うネタを毎日提供し続けなきゃならない。

ボクにはとても耐えられません。

・・・

彼とはそんな感じでしたが、どうも最近アグスタにも乗ってるようで。

来年のボクのプロジェクトに向け、アグスタに強いショップやメカについて話が聞けたらとか、なんなら一緒にやるとか、まあそんな事含めて四方山話でもしたいなと思い、飯に誘ったわけです。

そして、近況報告しつつ話題はYoutubeの事に及びました。

 

前段が長くなりましたがここから本題。

 

 

どうやら、最近の動画が元で、彼のチャネルが炎上したとのこと。
2ちゃんにスレまで立ったと。
動画のなかでKAWASAKIを貶す発言をしたのが発端だったと。

 

そんなことが起きていたの?

そもそも2chなんて何年も見てませんでしたし、知る由もありません。

聞くと、YAMAHAのR6とKAWASAKIの6Rを比較して語り、そこで、

「6Rは乗るまでもない、400クラスの車両と共通パーツを使った廉価車両であって、サーキット走るならR1と共通パーツのあるR6だ」(←ボクの要約であり正確な内容ではありません)というような発言をしたことで、炎上してるとのこと。

 

「乗ってもいないのに、何言ってやがる」

という発火点から、disられ始めたようです。

 

ボクは、

「6Rにも乗ればいいじゃん。」と言いましたが、川崎は個人には広報車を貸出ししないので、乗れないとのこと。

「自腹で買えばいいじゃん。」と言いましたが、それは主義に反すると。

それ以上その話はしませんでしたが、ソーシャルメディアを活用して食ってくというのは大変である事と、

にも関わらずそこに活路を見出し、本気で向き合っている事はよく分かりました。

 

その時から気になって、当該の動画を見たり、2chを見たりしました。
まあ、2ch

酷い書かれようです。
相変わらずですね。あそこは。
ですが、発火点となった、「乗ってもいないのに貶す」行為については、ボクもどうかと思いました。
その一点で言えば、反感を買うのもやむなしかと。


当該の動画では、「トライアンフ、ダメ。アグスタ、ダメ」と、他社のバイクに対しても、取り付く島もなくダメ出ししてます。
これについても本来は、何故ダメか、自身が乗って走りこんで得た感想と何らかのKPIに基づいた評価のリーズンホワイが添えられるべきです。
ですがそれはありませんでした。

でも、トライアンフアグスタのオーナーは、

「まぁねぇ。国産に比べたらダメなのは言わずもがなだよね。でも、国産にない秀でた一点に惚れてるから、いいのよ俺は」
と鷹揚に流してくれます。(きっと。ボクはそうw)


川崎乗りは、そうは行きません。


「俺の彼女を安物呼ばわりしやがって!」


元彼に言われても腹立ちますが、それならまあしゃあないw。

けど、部外者に見た目でダメ出しされたら、切れても仕方ないです。
じゃないと、漢KAWASAKIの名が廃る。


その後の火消方法については思うところもありますが、上でも書いた「本人の主義」もあるので、どうにもできません。

「出る杭は打たれる」という言葉通りか。

「出過ぎた杭は打たれない」になるまで頑張れるか?


本人にとって正念場かも知れませんし、もっとも、もういい歳のオトナですから周囲がどうこう言う事もないのかもしれません。


でも、彼の裏表ないピュアな性格と頭の良さは、バイク業界では稀有な存在と思うし、個人的にも信頼のおける友人なので、匿名の下衆どもに足を引っ張られるのは勿体ないなぁと思ってます。


なので、以下に僭越ながらボクからのアドバイスというか提案というか。


①下衆どもを黙らせる実績作り
②バイクは乗ってから評価する


この2点は、バイクを公に論ずる上でマストだと思います。


先ず①から。

 

クルマなら、①が無くとも、独自の視点や切り口、秀でた文章力で「評論家」として食えるかもしれません。
家電芸人みたいなものです。

又聞きで人から得た受け売り知識であっても、面白くて豊かな表現力さえ加われば、評価される世界と思います。

ていうか大半の自動車評論家がそうですよね。
クルマの動力性能は、スイッチ入れたら若葉マークのドライバーでも600馬力と電子制御の利いた超絶コーナリングすらも味わえるし、

快適性能は、もう誰でも好きに評価できます。定量的なNVHの数値なんて誰も見てなくて、評論家がそうだといえば、そうかと思う。

 

勿論、真の限界性能は、モノコックシャシーを捩じらせるほどの剛性まで診ないと分からない?のかもしれませんが、
それは多くの購買層にとって意味ある評価ではありません。


ですが、ことバイクとなると、そうはいかない。
購買層のニーズも違う。

 

何より、昨今のSS車両で一定以上の動力性能を引き出すには、一定以上のライディングスキルが必要となります。F1を上回る動力性能です。


つまり、①があれば、某評論家のように「クルマは5m動かせば善し悪しが分かる」と言えるかもしれませんが、

万人に評価される程度の実績がないと、乗らずに善し悪しの判断ができる能力があるとは見做されない。
少なくとも、乗らずの判断が価値としてマネタイズされるものではないと思うのです。


そして②。


以前、宮城光氏と飲んだことがあります。(サシじゃないよw)
以前も書いたかもしれませんが、そこで質問しました。
リッターSSを何台か俎上にあげ、それぞれどう評価してるか聞いたのです。
使用目的はホビーレースのベース車であることも伝えました。


結果的に彼はCBRを一押ししました。レーシングABSが絶品だと。
ホンダレジェンドとして正しい回答でしょう。


ですが、残念だったのが、RC8に対する評価でした。
「あんなん乗るまでもない。見たらわかる。」
かっこ悪い、とまで言ったような気もしますが、仕上げの雑さ、安っぽさへの言及は確かにあったと記憶します。
アグスタ乗りならわかるでしょー?あんな安もん、乗られませんでしょー」

 

・・・いや。
かっこ悪いと、見た目を評価するのなら、良いのです。

好き嫌いは誰にでもありますし、デザインや仕上げへの評価は明確な基準があるものではありません。


ですが、元ライダーのジャーナリスト、評論家のくせに、乗らずにバイクとしてのダメ出しをすることに、幻滅しました。


「乗るまでもない」

 

友人の炎上をみて、その時の宮城氏のことを思い出しました。
何を偉そうに。感じ悪いのやつだなあと思ったことを、です。

「おいおいw宮城さんを誰だと思ってんのよ。偉いだろw」

「彼なら乗らんでもパッと見で分かるわ。シャシーのバランスやら剛性やら、車両の出来不出来くらい見ただけでわかるわ。」

「おぉ。そうか。元スーパーノービス。元ホンダワークスライダー。そうかもしれんな。でもイラっとしたわー。」


本人に実績があれば、まだこの程度で済みます。


ですが、ドリキン土屋が最近、新型スープラについて質問されたツイッターで「乗り物は乗らなきゃわからん」と呟いてましたね。
ドリキンですら、乗ってもいないクルマの評価を迂闊にするような真似はしませんね。


話が逸れますが、ドリキンは以前、広報チューンについて激オコしてました。自分のGT-Rと日産から借りたGT-Rが明らかに違うと。
絶対なんかやってるはずだと。(サスセットとECUチューンかな?)

広報車しか信用できないというとクルマ業界では失笑されますが、バイク業界では違うのでしょうか。

 

閑話休題


というわけで、これを本人が読むか、読んだとして主義と相容れない点をどうするかも分かりませんが、
ボクなら、趣味を仕事にしていくなら、①はマストとしてクリアすると思います。
他の領域に置き換えると、資格を取るとか手練れの職人に弟子入りして修行するとか論文書くとか賞を取るとかって話ですよね。


そして②。自分の経験を自分の言葉で語るからこそ、価値が生まれる。


今は、ただのメーカー発言伝道師は無価値です。情報はタダで手に入れられる時代だし、誰でも情報発信できる時代です。

情報の質が問われます。

その質はけして上質でなくとも、オリジナルであれば価値が認められることもある。でも薄っぺらい嘘はすぐ見抜かれる。

企業からの情報発信(BtoC)の価値が下がり、ソーシャルメディア(CtoC)の価値が上がったのは今更語るまでもありませんが、

所謂口コミが価値を持ち、その口コミに発言者の信用性、実績が伴えば、大メディアによる発信を超える価値すら持ちます。

 


更に加えるなら、当然ですが他人や他社の悪口はNG。(オレがいうww)
素人として発信するなら自身が全責任を負えば済むからまだしも、プロとして、BtoBで金貰うなら絶対ダメ。

ステイクホルダーを巻き込んだイシューに発展する。

発信する情報に機能の相対比較が必要な際は、その基準を明確にした上で定量的評価を加えるべきだし、それが官能性能であっても評価基準を設けて点数化するべき。

 

更に付け加えると。

ソーシャルメディアを発信ツールとして使うなら、双方向である必要もあります。

One on oneで対応する必要は無いけど、次のエントリーや動画で反応を返すなどのインタラクションは必要です。

クレームに限らず、意見した相手に無視されるのを人は容認出来ないものです。

 

・・・どうかなあ。

応援したいし何かあればサポートしたいと思ってるのですけども。